蛍火艶夜
」のレビュー

蛍火艶夜

amase

河原版も買うよぉ!てか電子発売あるの?

ネタバレ
2024年12月13日
このレビューはネタバレを含みます▼ 下巻発売当日、リアルに脊髄反射で下巻を買い、しかし読み始めると薄消し版買ったハズなのに問題のチン…は真っ白で「これのドコがうす消しなんだ?!オレの心が汚れてるからですか?!!!」って思いながら最後まで読んだら、実は通常版買ってたっていう(笑)
うす消し版で上巻のレビューを1000文字書いちゃってスペースないので、こちらにて失礼致す…

この作品、確かに戦争を題材、しかも特攻隊が舞台この作品のこのキャラたちが、あの時代、あの逃げることが出来ない一瞬一瞬を精一杯生きる様をBLという…最早これはBLの枠にハメて良いものかなんですが、確かな取材の素に作られた、あの時居たかもしれない、あの時代を生き抜いた人たちのお話だと認識して私は読んでいます。そこを大前提として。

描き下ろし。

正直、酒井大佐の話。これが描かれるとは…と衝撃でした。戦争を始めた時の日本が、アジアにおいてどのような立場だったのか、そしてこの後訪れる他国からの侵略とか諸々がこの酒井大佐に集約されていて、そこに恋とも憧れとも呼べる感情に乗せる辻少将。
決して許せることではないけれど、けれど…と、辻少将に掛ける言葉が見つからないですわ……

そして片割れを無くしてしまったキャラたちが、結婚して子どもを成している事。そしてヒソーチョがソノから逃げている事。
あまりにもリアルで、あまりにもその時代の、時代の中を生きる人となりがあまりにもリアルで。
敗戦からの、マイナスからのスタートで、誰も彼もが傷ついて、貧しくて…そんな中で生きていく為に選んだ、選ばざるを得なかった選択に、ショックよりも「(同性愛を否定しているわけじゃなくて。この時代を生きている、という観点から)これが現実」と、すんなり受け入れちゃったんだよね…勿論、生きていても選ぶ選択をするキャラも居ると思う。それでもと選んで生きてきた人たちが居るからこそ、今の時代があるんだし。
だからこその…残されたキャラたちの言葉が強く突き刺さるんだよね……
ヒソーチョは、自分だけが幸せになっちゃいけないが強過ぎるからでしょう。自分の指で皆を見送ってきたからこそ…PTSDですよね…
ソノにとっては許せない、でも…と、本当は解ってると思う。だからこそ、せめて最後の瞬間だけは素直で居てねヒソーチョ……
クレも、塚本も、そして坂ノ上のお子さんらもさ…良かったよ…

語り足りない…最高でした。
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