変声
」のレビュー

変声

はやしわか

恋せよ若者。

2025年1月5日
この表紙の後ろ姿凄く好き。
中学生と言う少年らしさだけでちょっとキュンとしますw
(作中では晴れなのに雨?が降っているのはなぜか…)

表題作+極小スピン+ふたりのその後+短編(Not BL)です。
全編通して自分そのものであることの難しさや葛藤とまでもいかないぎこちなさが描かれていて懐かしいような気持ちで読みました。
心地よいと思っていた関係に水を差されてはじめて憧れの延長線上にある気持ちのベクトルを突き付けられる。
ぐわわぁ~んと銅鑼が鳴るような展開ではなく、静かにそっと穏やかな成り行きに地に足の着いた作品の印象が増しました。
キャラクターの雰囲気から、ふたりのうち一人は同性愛者なのかと推測。
ふたりの未来に夢の様な明るさを持つ彼と、一抹の寂しさを匂わせるような表情の彼。
想像の未来の後ろ姿にまたまたキュンとさせてもらいました。

短編は全くBLではないのでご注意を。
でも、とても素敵なお話でホロリと涙がこぼれました。
下を向いてどこに目線を置けばいいかわからなかった少女が上を向き目を輝かせるまでのお話。
そんなお話を最後に持ってきてもらえてこの本のやさしさを感じました。

**164ページ**
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