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野良おばけ

意外性と、その人の本質 ※3巻追記

ネタバレ
2025年1月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ タイトル通り身長差カップルのお話。とはいえそこは野良おばけ先生。人と人が好き合い、付き合っていくことの本質を抉ってきます。

人気者でいつも輪の中心にいる聖と、そんな彼に告白をした、真面目で地味にも見える誠。外見は全く違う二人ですが、相手の本質へ目を向ける魂の在り方が似ています。そして時折り見せる意外性には、こちらまでがドキドキ。

相手に興味を持ち、知りたい気持ちを募らせ、共に過ごし共通の記憶や言葉を持っていく。沈黙すら楽しめる自然体での付き合いと、少しずつ相手を知っていく幸せな時間の進め方に、何故だか読んでいて泣けてきます。
そしてそんな彼らを見守る友人も、やはり何処か似たところのある人たち。周りを大事にする仲間の輪が広がっていくのも微笑ましいです。

どんどんお互いに惹かれていき、気持ちも高まる花火の夜。これからこの二人が、どう付き合いを進めてどう相手の核心へと触れていくのか。
親切を一方通行にしない行動をする聖の人間性も、それに気付いて恋に誠実であろうとする誠の男らしさも本当に魅力的。だからこそ、卒業式の告白で聖が付き合いを受け入れた理由も気になります。2巻の発売は春とのこと。今からすごく楽しみです。

※3巻追記
全く違う人間と人間が、出会って惹かれて、奇跡的にも想いあえて、恋人として共に過ごし、ウキウキしたりぶつかりあったり、相手のことも自分のことも尊重しながら、いつの間にかひとつの人生を共に歩んでいる。
パートナーを持つ人生の本質が、それはもう丁寧に表現・言語化されている。
読んでてずっと感動しています。表現者ってすごい。
2巻では恋が進み、3巻では同棲を始めた誠と聖(あえては描かれていないので、夜の詳細は有無を含めて想像にお任せパターン)。彼らの辿る道を、できれば最期までみたい。人生をどう捉え、生きて行くのか教えてほしい。
4巻も楽しみです。
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