このレビューはネタバレを含みます▼
転校を繰り返している赤岩くん。下校時に大泣きしながら藤ノ木くんに転校を告げる様子から別れはいつでも慣れない悲しいものだけれど今まで何度も何度も繰り返して来たであろうにこんなにボロボロに泣く姿は2人の間に通じるものがあったから。結局、その後も連絡先は明かされず電話は赤岩からの一方的なものではあるが藤ノ木も常にその連絡を気にしている。細かなことは何も知らないのにずっと続く友人関係。何でもない人ならあの涙はないのだ。タックスヘイブン関連のドラマは一時期あちらこちらでやっていたように思うがそんな背景も交えた読み終えると63ページの中編とは思えない程の良い疲労感と安堵感が残る。