スリーピングデッド
」のレビュー

スリーピングデッド

朝田ねむい

とてもかわいそうでとても惹かれた

ネタバレ
2025年4月5日
このレビューはネタバレを含みます▼ Canna100号収録の番外編単話配信【2】購入にあたり(ちなみにスリーピングデッドは16ページ「遭難」。置いていくな、か…。)、本編の復習とレビューを。

一体全体どうするのこれと思いながら恐々と読み進め、嫌悪が魅力に、恐ろしさが憐みへと変わる頃には夢中で物語のラストまで食らっていた。ねむい先生は天才だと語る方が多いけれど、完全に同意。この作品で完全に確信。

庭でサルの手綱を引く彼を見て、美しいと感じた。その姿はどこか宗教的ですらあり、間宮もまた悲しい存在だと。物語が進むにつれその時の印象が正しかったと理解していくのだが、車中でひとりセリフの復唱をする間宮には言葉にならない程の庇護欲が沸いた。彼にとって、今回の事件はこんなにも悲しい始まりだったのか。

知りたくない程のグロさでありながら、目が離せない。辛さと同時に、ひどく高揚してしまう。とてもかわいそうでとても惹かれる。これはどんな感情なんだろう。

天才にして狂人にしか見えなかった間宮が、いつの間にか可愛くみえて仕方がない。物語が上手すぎて何かの扉が開いてしまう。このラストは、多分ずっと忘れられない。

くらやみにポメラニアンも…読んでみたい…。
いいねしたユーザ8人
レビューをシェアしよう!