初恋をやりなおすにあたって
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初恋をやりなおすにあたって

尾上与一/木下けい子

これ大好き、お仕事幼なじみ初恋再会深い愛

ネタバレ
2025年5月9日
このレビューはネタバレを含みます▼ BL小説読みとして、BLアワード何度もノミネート、入賞していらっしゃる著名な作者さんだから、もちろんお名前は知っていたのですが、これが初読みだったりします。

告白しましょう、実はBL作家さんの中には文体や作風がどうしても合わない方もいて、途中までしか読めなかった作品も多々あり、この作者さんの作品もなぜか食わず嫌い読まず嫌いをしていた、過去の私を往復ビンタで地平線の向こうに吹っ飛ばしたい。地球一周まわって戻ってきてこれ書いてます。好み!!!!!!大好き!!!!!!
大好きな木下先生のイラストもさらに好感度アップ。色白細っこい雪がページそこにそのまま居たわ〜。

何でも屋の敦也は、家事ヘルパーの仕事で入った汚屋敷で、若く気鋭の棋士になってた小学時代の同級生の雪と再会。昔の辛い思い出と共に淡い心残りがあった久しぶりの再会なのに、将棋の研究に没頭するばかりで生活ができない雪は自分のことに気づかなくて、、っていう始まり。

途中から交互視点になってわかりやすいし、間違いなく作者さんは趣味で指して観戦もしていらっしゃるから、棋士の世界の解像度がものすごく高くて興味深かった。将棋わからなくてもぜんぜん問題ないですよ。別離のきっかけとなった出来事や病のことなど、全て丁寧に書かれてて、深い物語になってます。
家事でサポートにまわる展開かと思ったら、将棋に全ての情熱をかけた雪に刺激されて互いに高めあうって結論で、これも良かったわ。

ただ、まだ道は途中、、なので読み終わったら彼らのその後が知りたくて光速でSS探し。
まず作者さんXからプロフィールに飛んでさらにプライベッターで敦也視点のSSが2本無料で読めます(「たったひとりの順位戦」「エラ呼吸の恋人」)。敦也にはランキングや順位付けはしてはいけなくて、雪はエラ呼吸してるらしいよ。

そいでキャラ文庫アンソロジー瑠璃の分冊で番外編ひとつ「午前零時の紫の上」、これは電子化されててシーモアさんですぐ読めます。

入手難易度MAXなのが「恋愛を進めるにあたって」という92ページ同人誌。あとがきにも書かれてる「後退王」の経緯が書かれてるらしい!!(ちる◯るの神レビューによると) が、ネットでかなり探しましたが今のところ中古の紙でも入手難しいようで、どうか電子で出してほしい。。。
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