このレビューはネタバレを含みます▼
とても優しくて辛かったです。麒麟はただつばめに傍にいてほしくて自分を傷つけるように鱗を人間にやってしまい、つばめはそれを取り戻すために自分の羽を毟って売る。
もっと早くにきちんとお互いの気持ちを伝え合っていればそこまでしなくても良かったのにって悔しくなってしまいます。「あなたのため」は本当は”あなたのため”にならない事も多いのに。愛ゆえの優しさも方向性を間違えると相手を傷つけます。
そしていつの世も平和を乱すのは人間。
戦争に巻き込まれた麒麟をつばめが痛んだ体をふりしぼって迎えに行く場面でそれまで何とかこらえていた涙と鼻水が決壊しました。もう2人から何も奪わないでくれ~と思いながら読み続けていたので、最後ハッピーエンドで終わって嬉しいよりもホッとする方が大きかったです。人間よりまずは自分たちが幸せでいておくれ。
先生の他の作品はもうしばらく間を置いてから読もうと思います。積んではあるんです。でも続けてはヘビーなので・・本当に優しくて愛のあるとても素晴らしい作品だと思いました。