ノっぴきならぬ
」のレビュー

ノっぴきならぬ

こふで

恋って覚悟を持ってするものだったんだなと

ネタバレ
2025年5月27日
このレビューはネタバレを含みます▼ 「日々是好日〜」で知った作者。桜餅を持つ指が美しかったです。
この作品を読んでから何度かレビューをしようと思いましたが、気持ちが込み上げて言葉にならず。だって、7年って…。あの時代だったら人生の季節が変わるくらいの長さだったんだろうなと。八重辰、寅次にとっても、どうせ後数十年の人生。寅次の回想シーンに、え?連絡取れなくなったの?じゃ紹介する?の人生じゃないんですよね。自然と自身の死を見据えているから想い続けてしまう、そんな7年だったのかなと。

八重辰。着物の袖のあしらい方が美しすぎて(あの襟足の美しさと耳たぶ裏のほくろよー💦)今でいう従業員と同じ敷地内で小さい頃から人の表裏からの世間体、その全てを父親を通して見て育ったんだろうと。父とは同じ性格ではなかったから、叱責を受けた奉公人の想いを受ける事は耐え難かったのかなと。
寅次と出逢った時から父が亡くなるでのあのいっ時が、八重辰にとって初めて心身共にホッとできた一瞬だったのかなと思ったら、妻の残した手紙の意味は恨みとかではなく、彼女は知っていたのかな?と。八重辰も彼女と同じだったと(育った環境も)だから、この先子を成せないだろう彼を想って娘を置いて行ったのだとしたら、彼女は本当に強いなと。そんな風に思いました。

先代の右腕の番頭さんとか残ったのかな?とか、半分以上辞めたり引き抜きにあったのかなと思ったら、あんな風に従業員に想われる八重辰は、何かあったら彼らに頭を下げられる経営者なんだろうなと。たまたま見た水野南北「修身録」に、最終的に運は食で、腹八分と。後はお客様をもてなす為に使う事と。だとしたら八重辰の父は、先代が客を飽きさせない様にと…の所から素晴らしい経営者だったのかなとも思い、八重辰がご飯を残すのも商家らしい自然と身についた運の為なのかな?と思ったりしました(寅次は心配してましたが)忠太、お天を娶ってさ、隠居した2人はさ…と想像しながら単話を見つめました。

潤滑油、通和散の作り方。1卵白、葛粉混ぜる。2煮たふのりの汁5:1(1)混ぜる。和紙に塗る、乾かす、を10回程繰り返し短冊切り。その短冊を口に含み粘りを指で…使う。たまに出てくる通和散。何枚か使用しました感。どっちが先に口に含んだんだろと、もう脳はフル回転で。八重辰自身の時もあっただろうし、でも基本寅次?と。ノっぴき…身分で書体が違う所から?等々…
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