このレビューはネタバレを含みます▼
大企業の会長で千年以上を生きる吸血鬼の要と要に先祖代々仕えている一族の末裔で従者兼秘書の晴人のお話。
要に噛んで眷属にして欲しい晴人と初恋相手の晴人の先祖を吸血鬼にするのを失敗したことから噛むことを拒否する要の攻防が見どころ。
はとじ先生の絵が可愛いし、切なさもありつつテンポの良い軽快な展開です。
ただ、気になる事もいくつか。晴明の眷属化を失敗してから千数百年が経っているのに要は失敗した原因を今まで調べようとしなかったのか。永遠の命を生きる吸血鬼には千数百年という時間も晴明を失った傷が癒えず立ち直る間もない短い時間だったのか。要の会社は人外の悩みやトラブルを解決するサプリや薬を作ったりしている会社だけど、今までの研究や資料で眷属化について役に立つものはなかったのか。せっかくの設定が活かされていないようでもったいない気がしました。
結局、実ったのは生まれ変わりとして晴明の想いだったのか晴人自身の恋だったのか曖昧な感じもしたけど、そのどちらも持ちながら晴人は晴人として要と一緒にこれからずっと生きていくんだろうな。
星4.5