このレビューはネタバレを含みます▼
購入したのは結構前だったのだけど、読むのが辛くて途中でやめていました。今回、意を決して読み直し。途中、泣きすぎて中断したりしながらなんとか読了。
はじめは単純にお人好しで善良な坊ちゃんのようだったのに、自分の身を削るのはただ乙鳥に戻ってきて欲しいから、ずっと一緒にいて欲しいから。坊ちゃんの寂しい生い立ちもあり乙鳥への一途な想いとは思うけど、その身を削ると乙鳥がどんなに心配し悲しむかわからないなんて未熟で愚かな行為だと思うし、季節によって巡る生き物をその営みから切り離すとどうなるのかも想像できない子供だ。坊ちゃんがポヤっとして可愛らしいから絆されそうになるけど、やってることは好きな人に振り向いてもらうために自傷行為を繰り返すメンヘラと変わらないんじゃないか。
元ネタのオスカー・ワイルドの「幸福の王子」も王子は視野の狭いところがあり、本当に純粋に自己犠牲を払ったのはツバメだと思う。
乙鳥の坊ちゃんに対する愛と献身に泣きすぎて目が腫れます。最後に傷ついたお互いを確かめ合う二人が切なくてでも幸せそうで・・あ〜レビュー書きながらまた涙が出てきた〜。全てを失ったからこそ純粋に二人だけの幸せを手に入れられた、のかな。
すごく良い作品、でも気軽には読み返せないかも。