完璧なムスコ【合本版】
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完璧なムスコ【合本版】

りーるー

産後の女性にホルモン治療をと思ったら

ネタバレ
2025年6月18日
このレビューはネタバレを含みます▼ オメガパンチで知った作者。プリンスノワールも良かったし、完熟セック⚪︎フレンドはまとまるのかなと待っていて、その間にこの作品をと。息子の父親への執着を想うと耽美で、父の恋人に父と別れろと脅して男性として男性に抱かれる父親の、男の世界を知る息子。父親を抱いている男に抱かれる息子には、耽美で良いなと思いました。

ただそんな父の夫婦の関係は、元妻、息子の母親は息子が生まれた後夫の性癖を告白されても会社経営する夫と家庭を支えていたのだろうと。それなのに息子からは不在がちだった母親以上に父親からは愛情を貰ったと。物語後半ではそんな彼女は何故かフランスで恋人ができ、番外編では父親は孫を抱っこしているのに母親の姿はそこには無かった。

父の会社が合併され子会社になった後、その会社の社長を引き継いだ息子は結婚、男の子にも恵まれる。彼の奥さんは生物学的には女性だったけど今はほとんど男性だと言う彼。子は2歳になったと。という事はまだ産後の体調の中…抜け毛、歯や腰、骨盤底筋のダメージが残る中、授乳が終わるくらいの時から性転換の男性ホルモンの治療まで受けていたという事なのかなと。産後の精神的な不安定さはホルモンバランスの乱れからで、それがいつ終わるのかは女性それぞれ。そんな時期に性転換のホルモン治療を受けていたと。
作者のそんな女性の扱い方に、物語前半のBLという耽美な夢から覚めた様にハッとして…ミソジニーとまでいかなくても最後の家族団欒は生まれてきてくれた子まで息子という男性のみで、そこまで男性なのかと。好きな作者で他の作品も好きだったのですが、何ともいえない残念な気持ちの読了感でした。申し訳ない。
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