このレビューはネタバレを含みます▼
こういうの読むとほんと年中行事大事にしようって思う。思うんですよ、すご~く。
ただ日常のケが枯れすぎててハレを祝う元気がない・・・良くないね、良くないよ。
この本読んで今年は半夏生にタコのお刺身と水無月を食べよう!と思いつつ、結局2日後にゲソのから揚げと大福食べたんですけどそれで良しとしていいでしょうか?
以下すごくネタバレあります
まだ高校生なのに人生を俯瞰で見ているような八潮。離れて暮らす両親の事もごく普通に受け止めていて無理してる感じは全くないし、実際そうなんだけど、山でだけ迷子になるのは彼の無意識の寂しさだったのか・・・トキはそれを祓いたかったし、ミツもそれからずっと守ってきたんだと思うと何だかとても切ない。
日々不平不満を言わず黙々と一人で生きてるこんなかわいい男子を放っておけるわけもなく・・八潮の魅力は若いうちは響かないかもしれないけど、大人になるとすごくよくわかる。それこそ何百年も生きたモノノケたちを虜にしてしまうのも納得です。
でも恋をするとほんとに辛いのはトキの方・・愛が深ければ深いほど残される方はしんどいはず。八潮もそれに気づいてるからこその終盤の描写がグッと胸にきます。泣いてしまいました。
2人の会話のテンポの良さとツッコミのセンスの良さでどんどん惹き込まれていくし、一緒に過ごす空気が少しずつ熱をはらんでいく感じがめちゃくちゃ良い!もしや最後までしないのかなと思われたエチも回数多くはないけど空気感がエロくて情緒がありました。大好きな名作です!