蜘蛛の男【単行本版】
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蜘蛛の男【単行本版】

あるくジョー

蜘蛛は益虫か害虫か

ネタバレ
2025年9月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ 蜘蛛が好きである。
害虫を食べてくれるし、同居も大歓迎。
あるくジョー先生に加え、タイトルに「蜘蛛」とあっては読まずにはいられない。

海外マフィアを題材にしたハードボイルド大人系。
先生の描くスッとした線、特に切れ長の目元が超絶好み。
ウイリアムの下まつ毛と、ナインのじっとりとした真っ黒い目がたまらん!
ナインのこの目…自分の大好物である狂った執着ものかと思いきや、意外な事実に「してやられた」感あり。
一定の人物の顔を出さないのには何か理由があるのだろうか。
モブだからか?と思ったが、そうではないらしい。
最初はナインが蜘蛛なのかと思ったのだが、真っ黒な顔面に目だけがギラリと光っていて、こちらが真の蜘蛛なのか、と色々と考えてしまった。
しかし、こっちの毒蜘蛛は好きではないので、容赦なく新聞紙で退治したいところ。

最後は少し駆け足に感じてしまったので、個人的にはもう少しじっくり読んでみたかった。
名前から大天使ガブリエルかと思ったので、自分はラスト前向きに捉えていたが、レビューを拝見すると別の見方もあり、なるほどと面白い。
まだ糸が散りばめられていそうだなあ。

お致し描写は直接的でなく少なめだが、シチュエーションもあり、大変な色気。
特にウイリアムの華奢な腰は必見。
暗闇の使い方も効果的で素晴らしいし、改めて先生の実力を思い知らされた。
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