兎太と烏堂
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兎太と烏堂

tacocasi

とある国の王子と従者たちの旅

ネタバレ
2025年9月9日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作者様の“うしみつどきどき古書店譚”の世界観が好きで、こちらの作品も気になっていたところ…2話分が無料!有り難い…。

物語の舞台は中華風ファンタジーのような世界観です。文官である烏堂は孤児から成り上がったためか、出世欲が非常に強い青年。自らの美貌を上手く使い、時には目障りな相手を蹴落とし、文字通り出世街道まっしぐら。
だが少しやり過ぎたようで、逆に何者かに嵌められ突然左遷。新たな職務は、変わり者で好奇心旺盛な第4王子・宇斗の世話係。しかも王子の護衛である兎太とは相性が悪そう…。

王子はというと、辺境の霊峰にいる仙人に弟子入りしたいのだと。その突拍子のない目的を達成するため、世話係の烏堂と護衛の兎太も付き従っての珍道中が始まります。
BLとしての濃度は薄めですが、“物語を読ませるタイプ”の作品で、私はとても好き。異国情緒溢れる旅の描写に心が躍ります。

王子を守る烏堂と兎太の二人は、まさに正反対のタイプながらどちらも魅力的。でも、どちらかというと私はワイルドで無骨な武闘派・兎太が好み(傷跡だらけのガチムチの身体が…)。従者二人が仲良しさんではないところがこれまた私好みの設定。
また王子はしきたりで成人するまで人前で仮面を外せないらしいのですが、その下の素顔はきっと美少年なんだろうなと想像してしまう…。独特な絵柄も世界観にぴったり。

ファンタジーな物語が好きな方に特にオススメの作品。武闘派と頭脳派のCPもドストライク。面白く読ませていただきました。
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