葬送のフリーレン
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葬送のフリーレン

山田鐘人/アベツカサ

説明のないセリフ一つで心の奥をついてくる

ネタバレ
2025年9月10日
このレビューはネタバレを含みます▼ アニメから入ってすぐに引き込まれて、そこから一気に原作も読んだ勢ですが、大人のための漫画であり子供にも触れてほしい話だなと思います。

「善く生きる」とはどういうことかを説明するでも説教するでもなく、色んなエピソードを通して教えてくれる作品。
「なんでもっと知ろうと思わなかったのだろう」勇者ヒンメルが死んだときのエルフのフリーレンの涙から始まって、気の遠くなるような長い年月を生きてきて初めて知った感情とヒンメルの言動が、その後のフリーレンの道しるべになっていく・・
ヒンメルだけでなく、ハイターやアイゼン、フランメなど過去にフリーレンと共に過ごした彼らの愛や生き方を記憶の中から一つ一つ呼び起こして、あの時流した涙がなんだったかを知るための旅路。設定やプロットが凄いです。

もうこの世にいない彼らの心に触れその本当の意味を理解するたびに、当時それを理解できなかった自分を悔やんでしまいそうだなとも思うけど、フリーレンは今同じ時を生きているフェルンやシュタルクに「ヒンメルならそうした」って言いながらその行動でもって伝えていく。きっとフェルン達もそれを次の世代に伝えていくのだろうな・・誰かの中に残る「大切な何か」こそ彼らが生きていた証になるのかもしれないですね。何よりヒンメルの想いがフリーレンに届いていたらもうこれ以上の喜びはないです。

色んな人と出会いゆるゆるとくだらない笑いで時間を紡ぎながらも、魔族との戦いなどの戦闘シーンとのギャップは本当に凄い!
心理戦、近接戦、高度な魔法、戦闘の種類も様々で原作も面白いですがアニメの戦闘シーンはまた息をのむほど素晴らしいです!どのシーンも是非劇場で見たいと思うほど。
ただ、田中敦子さん亡き後のフランメは誰が担うのだろう…彼女の導く声が大好きだったからアニメを見返すたびにウルッとしてしまいます。そして15巻お待ちしています。

大変長いレビューになり失礼しました。
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