さよならソルシエ
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さよならソルシエ

穂積

ゴッホ兄弟のifストーリー

2025年9月27日
この兄弟に無限の星と愛を捧げたい。
ノンフィクションではなく史実にある出来事をもとに創作されたものですが、彼らの心情までは史実からわかり得ないのでこういう部分があったかもしれない、という目線で素直に楽しめましたし、ひとつの作品としてとても感動しました。

主役はゴッホではなく弟のテオです。ゴッホの才能を世に出すために奮闘した弟。
それぞれ一流の才を持って生まれ、彼には画商の才があり、当時特権階級のものだった芸術を庶民の文化として開花させた立役者として描かれています。ゴッホを一生涯支え続ける財力があったことを考えても画商として相当優秀だったのは事実だと思います。

彼らの史実がどうであれ、実際のゴッホがどういう人物であれ、テオのゴッホに対する愛情は本物だったのだろうと、その1点だけは疑いようがないと思いました。でなければ今私たちはきっとこんなにも彼の絵を目にすることはできていないはず。
実際はゴッホが亡くなった半年後に亡くなっているテオ。享年ゴッホ37歳、テオ33歳です。こんなに若くして亡くなったにも関わらず作品はかなりの数・・・ひたすら描いていたんだろうな、テオがその環境を整えていたんだなと思うと彼らの芸術に対する功績はとても大きいなと思います。もちろんテオの遺志を継いだ妻と子の功績もめちゃくちゃ大きいです。

2人並んで埋葬されているので本当はフランスに行ってお墓参りをしたいけれど、さすがに難しいので今開催されている大ゴッホ展に遠征しようと思います。
※BLではないです。あくまで兄弟愛の話です。インスタにマンガの紹介が流れてきて読みたくなったのですが、すこし前の作品のようですしこの大ゴッホ展と関係あるかも。ホイホイされて良かったです。
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