ピットスポルム
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ピットスポルム

三上志乃

表紙の変遷が2人を物語ってる

ネタバレ
2025年10月8日
このレビューはネタバレを含みます▼ 2人の距離がどんどん縮まって熱を帯びていっているのが表紙の変遷からわかるのが凄い。
1葉から順に追って今回の5葉の表紙を見ると、もう本当にお互いの存在が替えのきかない恋人同士になったんだというのが感じられます。

クセ強な大人BLばかり読んでいた過去の私にDKBLの素晴らしさを教えてくれたとても大切な作品。
最終葉が出てからレビューしようと思っていたのですが、またしばらく間もあくし、久哉の苑への矢印が思いのほか大きくなっているのが感慨深くて・・・
もう修学旅行の1秒も離れたくない2人がね・・・苑はわかるけど久哉もっていう・・・はぁもう何といったらいいか。2人を見守ってきた自称苑の第2の母としては胸がいっぱいなのです。でもこれから1人部屋さみしい!エチできん!でも卒業したら絶対同棲するやつ!!って思って読んでます。

久哉の黒髪、健気で真面目なところ、案外エチが好きなとこも全部本当に大好きなのですが、このお話は主に久哉を通した苑のための救済ストーリーのように感じてます。
1葉のトイレのシーン、大丈夫だよって背中さすってあげたい。そしてあのお母さんとの電話のシーン・・・苑のこれまでの苦しみが報われた瞬間に思えて毎回号泣してしまう。

甘いラブとびっくりするほど煽情的なエチ、と同時に切なくて決壊しそうになる2人の気持ちが胸にズキューンと迫ってくる感覚がすごい。DKだからこその自分のセクシャリティへの向き合い方や家族との関わり方、自分らしく生きていくために何が必要なのか、この2人は自分たち自身に誠実に生きていこうとしてるから説得力があります。やっぱりすごい名作!!最終葉まで2人をしっかり見届けたいです。
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