イグナートの花嫁【単行本版】
」のレビュー

イグナートの花嫁【単行本版】

もりもより

画力で伝わるすごさ

ネタバレ
2025年11月25日
このレビューはネタバレを含みます▼ 吹雪いている雪と吐く息の白さ。画面から吹き抜ける冷気を感じるほど風景描写が美しく圧巻です。
そしてリタの表情に釘付けになりました。
表情から感情だけでなくリタの無垢さと不憫さ、彼本来の明るさや芯の強さ、かすかな色気まで様々伝わってきます。
作品を通して書き込みが緻密で繊細なのに迫力のある描写が素人目にも凄いと思うし、まさに画力で語っている感覚。

イグナートはずっと孤独を抱えて生きていて、いつも想像の上を行く怖いもの知らずのリタのおかげで、どれだけ感情を動かされ救われているだろうか、と想像してしまいます。
初めはただの庇護や同情だったかもしれないけど、ゆっくりじわじわと明らかに違う感情が芽生えているのがもうたまらないです。リタが2回目に竜化しようとしたとき、イグナートがリタの涙をぬぐい、まぶた、おでこに優しくキスしていくシーンには呼吸が止まりそうでした。

「寒い」と「寂しい」は同じ場所にいると思うから、2人のいる場所がいつも暖かいものでありますようにと願います。
ただ生きてそばにいてほしい、という絶対的な愛に加えて2人がこれまで知らなかった感情に出会って、大きな大きな愛に変化していくのを楽しみにしています。
さらに言うとイグナートがリタに独占欲爆発させるとこ(抱き潰すとこ)見たいな…
リタが正真正銘イグナートの花嫁になるとこ(抱き潰されるとこ)見たいな…
もちろん濡れ場がなくとも文句なしの神作です。ですが本音をオブラートに包もうとした跡をそっと置いておきます・・・
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