卒業生[完全版]
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卒業生[完全版]

中村明日美子

色褪せない輝き

ネタバレ
2025年12月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ 学生時代にふざけて廊下を走り回っていた時の笑い声や差し込む光。
「羅生門」、高校の授業で習い、芥川龍之介にドはまりしたなあ。
しかもあまりにイケメンで衝撃を受けたんだった、なんて、この作品を読んで自分の学生時代の輝きも蘇らせて貰った。

飲むものが炭酸からホットコーヒーに変わった。
「同級生」の秋の季節を引き継いだ、高校3年生の冬から始まるストーリー。
学生時代のほんの一瞬を切り取った物語ではあるが、全てのエピソードが愛おしく、強烈に輝いている。
2巻はあっという間、気がつけば春を迎えていた。

あの日恋に落ちた2年の教室で、2人だけの卒業式。
もう同じ学校で時間を過ごせなくなる焦りや不安に押しつぶされそうになるも、一生懸命に気持ちをぶつけて、受け止め確かめ合う2人の姿に感動。
思わず涙が出てしまい、この時間の2人については何も言えなくなってしまった。

制服を着たまま下から見上げる教室の天井は、「同級生」という階段を登りきった彼らを別の世界に進めていく。
もう同じ制服で一緒に歩くことはないのだ。
最後に制服で廊下を並んで歩く堂々とした姿が人混みに消えていく様子を、卒業アルバムを閉じるようにして見送った。

…ところで、自分の疑問であった、草壁の髪形がちょっとしたエピソードとして取り上げられており、嬉しくなってしまった。
謎は明らかに。
…なるほど、そうか、あの髪形は自分には無理である。
まさか諦めの後の希望から、そう来るとは思いもしなかった(笑)
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