このレビューはネタバレを含みます▼
邪な神のビジュアル稲妻にうたれてお買い上げ。221頁 星☆3.8
鬼嶋組の3兄弟。次男・央(なかば)は兄・寿(ひさし)と弟・福(ふく)の板挟みになり、冷遇されている。ある日、鬼嶋組の社に棲む神の守役という生贄の役目がまわってくる。
設定を詰め込んだ1冊のために、展開が駆け足になっているのは否めない。けれど、央の黒髪美人が父や兄に期待されたいと揺れ動く表情は胸がキュンとする。強者な一面と愛情に飢えている弱い一面のギャップが央の魅力。しかも神様は鬼嶋の先祖が閉じ込めた存在だった。鬼嶋組は神を結界から出そうとはしなかった。でも央は神の無邪気な願いに真摯に向き合う。神を都合の良い道具にしない神守の誕生だった。神は足繁く通ってくる央の幸せを考えるようになる。
この美形二人がスーツで街に出る。神様はメイドインジャパンのはずがハリウッドスターがスーツを着こなしているようだ(極めて個人的感想)シリアスな内容にそんな息抜きできる展開が入っている。なんだか造形の話ばかりして申し訳ない
この作品のダークホースは三男・福。ひょろりと登場して(憎らしいけど央とは別の美形)美味しいところだけ、ヒョイヒョイとつまんで最後は兄を越えていく。実に末っ子の特徴を鷲掴みにしたキャラ。主役を食うとはこのことだ。
最後は、業火と豪雨のダイナミックな演出でありながらファンタジーでふんわり着地する。