このレビューはネタバレを含みます▼
本来なら「ワンダー・ボーダー」から読んだ方がいいのでしょうね。
でも…あちらのあらすじ大体把握しちゃったらどうしても読む勇気が出ず、スピンオフのこちらで夏朗さんの幸せを確かめてからにしようと。
読めば読むほど夏朗さん優良物件ではないですか。読んでない者が言うのはアレですが和秋は彼より魅力的なんですか?…ってそういうことではないんだろうね恋というのは。
失恋直後に出会った、どこか洋春の面影がある梅雨彦。
彼の可哀想な人を放っておけない性格と、それに付随する性癖、ここまでは理解できる。
ただその為に同時に何人もの人と関係を持つことで、自分に好意を持ってくれている夏朗がどういう気持ちになるかを理解出来ていなかったのが驚く。解っていたけど抗えなかったというならともかく(途中からそんな感じにも見えたけど)豪との性行為を見られた時少しも焦っていなかったので、これは夏朗、梅雨彦を諦める選択をしないのであれば長い道のりになるぞ…と思った。
果たして夏朗は諦めなかった。これかなり大きな愛がないと成し遂げられないことですよ。怒るのではなく、優しく辛抱強く道理を説いていく。まさに親がまっさらな子どもを教育するように。
そんな夏朗の誠実な言葉が徐々に梅雨彦に浸透していき、彼を変えていく。この過程を急ぎ過ぎなかったことが本当に評価できます(偉そうにすみません)。全286ページになったこと大納得です。何度でも言います、この部分を時間をかけて丁寧に描いて下さりありがとうございました。
というわけで読者は梅雨彦のこの嬉しい変化を自然に受け入れることができ、夏朗の本物の愛と強さに舌を巻き、体だけでなく心が結ばれた2人を心から祝福できるのです。ビバ!
もう1人どうしても触れておきたい人、豪について。終盤「そういうことだったのか」と知った時、それまでの彼の全ての言動に悲しみのベールがかかっているのが見えました。先生、彼の幸せも願う気持ちで読了させて下さったことも重ね重ねありがとうございます。
あとがきで豪と対面している冬子ちゃん、この1カットが何とも可笑しみがあり豪の再生の予感も垣間見えて和みました。
うーんやっぱり「ワンダー・ボーダー」も読もうかな。
今日まで半額。
…たぶん買うな私。