さようなら、私の冷遇生活~パーティーで声をかけてきたのがヤバい男だった件~
頼爾/高松翼
このレビューはネタバレを含みます▼
制裁もきっちり有り、無駄なくまとまって
文字数の以上の満足感があり。
ヒロインは長い冷遇性格で全てに諦念しているようで、実際には自分を売っても実母を抱えて生き抜く強かさがあり幼稚な思考ではない。
とはいえ、人生経験が少ないから完璧令嬢ではなく
危うさもあり、そのポンコツ部分が年相応でかわいい。
ヒーローにポンポン言い返すけどヒステリックではなく冷静。
ヒーローはそれなりに歪んでるけど、
ヒロインを守りきる行動力とチカラがあり、
直球ではないけどヒロインへの熱さを隠しきれない男。
ただ、モラハラ男みたいに雨の中、
ヒロインを土下座させたのは許せないけどね。
そして、不安材料だったヒーローの諜報任務は
チャラいふりして数多の令嬢たちに近づいて情報を引き出すためで、彼なりに一線は引いていて実は童貞だと知り、俄然、好感度アップ!笑
そこは潔癖なので安心して読めるし、
今後はその任務も引くことになり好感度MAXに!
任務続行を無理強いしない王太子、
変態らしいけどいいヤツ。
ヒロインと恋仲になっても諜報任務を続け、
不安にさせたり我慢させるヒーローや、
その任務を押しつける王族の話はあちこちで読んだけど、このお話はヒロインへの配慮があってよかった。
作者さまがヒロインを大事に書いてくれている証のようでうれしい。
ただ、その境遇からヒロインが
なかなかヒーローを信じきれず、
求婚に対して迷いがあり揉めた時、
ヒーローのヒロインを突き放すような態度や
投げやりな言葉はヒロインを試してるようでムッとした。
そこは何度でも寄り添って丁寧な言葉で安心させてあげてほしかった。
突き放したり試すのは器の小さい男だよ。
一方、ヒーローに突き放された途端、何度も
引き留めるような態度をとるヒロインにも興醒めだったかな。まだ信じきれないなら、追い縋るより不安が消えるまで待たせればいいのよ。
あの手の男に対しては、待てないならそれまで。と、
こっちから突き放すくらいのが、
もっとヒロインを好きになれたわ。
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