市川節。
市川節が好きな方は全部好きだろう。
表題作+5短編。
贅沢だぁ~(*^^*)
表題作「ナチュラチュラリィ」は兄妹双子の妹カナ目線でお話が進みます。
双子の神秘、言葉を交わさずとも空気でお互いを読み取る能力...というか4つの瞳で一つの感覚という感じなんだろうか。好きも嫌いも一緒...ですもの。切ない涙がこぼれてしまうこともあるわ。
兄アキを好きだという今池。
はじめ、今池のベクトルがどこに向かっているのかわからなかった。アキなんだけれども何となく行動が腑に落ちなくて。そしてカナのベクトルもわからない...。なんだ?このもやもやは。
本の最後のプロローグでなんと!このもやもやがだいぶ晴れた気がします。
こちら、もやもやの原因今池目線です。
今池よ、それは罪ってものだ。答えは出ているだろうになぜカナを巻き込んだ?まぁどの道カナは涙を流すことになるだろうけどもさ。
先生、お話が上手すぎます。すげぇ虜。
「ベランダにて」
そこは時空がゆがんでいるのか?はたまた思念を送る側送られる側のチャンネルがあってしまったという事なのか??妙な事ってある意味超自然ですよね。いい大人がリアルに嗚咽して泣く姿は居た堪れないよね。一方的に素の姿を見てしまっている罪悪感も秘め事も心を奪われるには十分です。
「カウント3632」
これ面白かった!!めんどくっさい人って関わりたくないけど面白いよね。絶対に嫌なシチュだけど密室で起きることは絶対面白い。偶然だけど必然的に人の本質見えるよね。
「ステップワン」
策士め~!!高1なれど侮れぬな。壁ドンチュウとかー!!!一本道しか知らない先輩は逃げられないこと決定。DK~さいこうかぁ~。
「テストプレイ」
wwww...wwww...www。開かれよ扉。
「道連れ」
うわぁこの二人どうなるんだろう。爛れている自分でも清い道もあるはずで手を伸ばして一緒に歩く道もあったはずで。確実に手にしたつもりだったのに。苦しい顔が、したり顔が、人間らしくて好きだとも思います。
総じて。
やはり先生の作品が大好きだと再確認しました。