忘れられない思い出の高校時代の同級生と20年以上ぶりに再会し、復縁するお話。その他、暴行事件がきっかけで男に目覚めてしまった男が、再びストーカーに狙われる中編のお話の二本立てです。
表題作は復縁のお話ですが、中編ということもあり話のバックボーンが良く見えず、あまりお話に入り込めませんでした。20年という時間があれば、考え方も生き方も変わってくるし、お互いにそれなりに恋愛したり経験を積んだりしてるのではと思うと、天野のような反応にならないような気がしました。20年という時間がぶっ飛んでしまうほどの大恋愛でもないのに、今さらあんな不器用になるかなと何だか時間の経過の価値があまり感じられなくて残念に思います。大人同士の復縁なら、人間味がもっと熟成された関係を見たかったです。
2つ目のストーカーの話は、性癖の世界のお話。千木良は先輩を気に入っていたから先輩はストーカーにならなくても良かったのに、拗らせてしまったのは何か理由があるのか、性癖なのか。両方のお話に通じますが、登場人物のキャラのバックボーンが見えないので、曖昧さが残りました。