素晴らしいです。
民族、宗教、戦争、歴史、人が緻密に構築された架空の世界のお話。差別にまつわるエピソードが多いです。
本という存在がいかに大切で、その影響がどれだけ大きく、真偽を見極めることがどれだけ難しいか。読んだ本が人を作り歴史を作っていくのだ、本を制するものが世界を制し、本を守ることが世界を守るという世界観に違和感なく入り込めます。
こう書くと重くて難しい話のようですが、田舎の少年の冒険譚のようなストーリー形式で、その少年が優しくさっぱりした生活で破天荒に動きながら人との出会いで成長していき、周りも個性・魅力あふれるキャラクターなので、楽しく読めます。
素晴らしい書き込みの美しい絵に圧倒的な世界観で、子供の頃のように、わぁぁ!と目を輝かせながら本の世界に入り込み、ページを捲る手が止まらない。そんな素晴らしいファンタジーです。