ノンケの堅物リーマンとゲイで営業部の若手ホープが恋愛するお話。
まず、告白をプレゼンされるというところからお話が始まるのがとても斬新。相手が何事にも動じず枯れたように生きている高坂だからこそ、気持ちを伝えるということよりもメリットを伝えるというのは面白いだけじゃなく、効果的にうつりました。稲森は高坂とはあまりにも人種が違いすぎて、飽きてしまわないかなと途中不安になりましたが、プレゼン通り一途できちんと高坂を好きでいてくれて良かったです。色々遊んできたからこそ、最終的に高坂のような真面目なタイプに惹かれるのかなと思いました。
そして高坂にはものすごく共感しました。ある程度年を重ねると決まったルーティンがとても楽だし、恋愛のように自分一人ではどうにもならないことに心を動かすことは億劫に感じます。何となく自分の殻に閉じこもりがちになりますが、ちょっとしたきっかけがあれば若い頃よりも柔軟に新しい世界を楽しめるもの。最初は戸惑うことも悩むこともありますが、そんな姿や心情がとても丁寧に描かれていてすごくリアルでした。
稲森の若くて奔放な部分と高坂の大人な実直さが、正反対なのに相性の良さに繋がっていて、まだ続きを読んでいたいなと思わせる二人でした。