小説も含めてBL関連の本を何百冊読んだか分かりませんけど、叔父×甥の組み合わせは極少で、義理の関係を除けば数冊あるかないかだと思います。なので、近親ものが苦手な人は注意が必要です。
どんな作品でも不憫受けには幸せになってほしいと願いつつ読んでいますが、今回綾の置かれた境遇は不憫というより不幸に近い気がして、幸せに「なってほしい」ではなくて「なるべき」と強く思いました。それくらい心も身体も傷ついて苦しんで…それでも昔隆宏と見た星を心の羅針盤に真っ直ぐな心で生きていく姿が、切なくて悲しかったです。
全体的に二人の想い以外の明るい要素はないのに、どこか優しく温かく心に沁みるストーリーでした。二人の間に芽生えたもの、それを「あい」と表現している点に色んな意味で厚みを感じました。
「あい」は、まず「愛」だろうけど、少しの「哀」もあるかもしれない…「相」「間」もしかしたら違う「あい」も。タイトルの付け方も素晴らしいと思いました。