もうね、木島の息をするように嘘を吐くとこが好き。そしてそれが見てたかのようにわかる春彦がすてき。普通だったらイライラしたりうざったく感じるくらいぐるぐると、自分なんか〜とめんどくさいのに、この人はこうだよねって面白く読めるのが実在の人物を投影してるかのようなキャラの一貫性によるものなのか、とにかく不思議です。実家の妹もいいキャラしてて、今作のキーマンであるスナックアケミのママ、春子が木島と絡むことでいい味を出してます。俗世にまみれた人×浮世離れした人の化学反応おもしろい。クロスオーバーだと後書きで知って興奮、大好きなんですよね…アケミちゃんも読んでみたいです。城戸との、春彦からしたら嫉妬でしかないこの関係がめちゃくちゃ萌える…キープという言葉にドキリとし木島の心情をよく表してるなと思いました。番外編、続の蒲生田先生との会話から入ってその返しで終わるのも3部作ならではの深みや積み重なりがあり、充実した1冊です。カバー下、文通って粋だな…と思わされました。