●「最初の恋」と「最後の恋」。幽玄と秀斗。●突然死んだ秀斗が幽玄にだけ見られる形で現れて、生前と変わらない陽キャ秀斗の「やり残し」に巻き込まれていくうちに虚無だった幽玄の世界も広がっていき…というお話。●秀斗の死ありきの話なのでしょうがないけどしょうがないけどさー(泣)幽玄とのことも友達とのことも家族とのことも…切な過ぎて…。秀斗が生前と変わらず明るいから忘れそうだけど、そうだよな、死ぬってそういうことだよなーってじわじわと。●最後に、輪廻転生で生まれ変わって誰かを幸せにしたいと秀斗は言ったけれど、願わくば、その「誰か」が幽玄であればいいのに、と強く強く思いました。なるべく早く来て、と。●朝顔は朝に咲くのではなく朝に向かって咲くそうです。吹き込む風、羽ばたく鳥の羽音、眩しい朝陽。ラストは、涙の中にも希望があります。名作だと思います。心が洗われます。