立読みの時点では特に惹かれるところは無かったけれど、レビューを見て興味が湧き購入。
暗い表情で俯きがちに街を歩くトヒコ。ぶつかって転んだトヒコに手を差し出してくれた男性に「僕が見える人もいるんですね」なんて言ってしまう。その後、その男性と偶然再会し、職ナシ宿ナシならうちにおいでと言う男性・コウに誘われるまま付いていく。
トヒコがなぜ鳴けないのか、その過去が悲しいし、かなり胸糞悪い。コウがトヒコを鳴かせてあげたいと思う気持ちやトヒコを連れてきた理由が見えてくると、物語が一気に面白くなる。
コウもトヒコも出会ったころよりどんどん表情が豊かになり、目に光が灯る感じが良かった。コウの真意が分からなくて戸惑いつつも、コウの些細な言動にきゅうっとして恋心を膨らませていくトヒコが本当に可愛い。