『俺が好きなら跪け』のスピンオフ。
大手銀行M&A事業部の梶と営業部の神谷。神谷は前作の松田の上司で、二人とも前作にちらっと登場。スピンオフとは言え、前作未読でも特に問題なし。
同期で共に次長という役職ながらバツイチとゲイで仕事以外の接点はないはずが、仕事帰りに一室しか空いていなかったホテルに泊まり、梶がふと目を覚ますと神谷が自分の上に跨がって……と、いささかビックリする状況で物語がスタート。
前作が少し薄い感じだったから、こちらはどうかな? と懐疑的な気持ちで読み始めたけれど、結構良かった。仕事を絡めたストーリーには2巻以上あった方が断然楽しめるなと実感。
神谷はほぼ自分の性欲処理に梶を利用しただけで、その1回でノンケのはずの梶が自分を好きとか信じられず、ゲスいセフ レにも飽き飽きしていて、面倒くさいとまではいかないものの難しい人だなと思った。
梶はストレートな物言いで神谷を呆れさせながらも、ゲイであることを若干後ろ向きに捉えている神谷には梶みたいな人が合うと思う。
こちらを読んでみて、『俺が好きなら跪け』も2巻くらいで書いてくれたら読後はもっと良かったのではと改めて感じた。