ストーリー性重視のとても優しく素敵なお話しでした。内容的にはやや重めで、佐原の過去と現在の境遇は、苦労の一言では言い切れない孤独と辛さが滲んでいました。一方で篠塚の方は、職業柄?大変なことはあっても慶事を扱う職場ですし、本人の人柄や性格もあって楽観的な雰囲気が対照的で、グラデーションのように混ざる感じが良かったです。
二人ともアラサーらしい落ち着いた雰囲気で、ゆっくり一歩ずつ慎重かつ確実に距離を縮めていく様子にも好感が持てました。苦労の末に掴んだ幸せ…安息の場所を見つけた二人に心からの祝福を伝えたくなりました。あとは、篠塚の後輩・桑野が相当良い仕事をしていたと思います。
番外編が特に素晴らしく、ただ調子がいいだけでもおちゃらけているわけでもなく、飄々としながらも根は真面目だし芯はしっかりしている骨のあるやつだと思いました。二人を祝福する姿にも性根の良さが出ていた気がします。