「鬼と天国」の続編。二人がお付き合いしてからのお話です。
前作から徐々にかわった力関係でしたが、今作では青鬼好き好きの天獄とその天獄を理解して深い愛情で受け止める青鬼という形にすっかり落ち着きました。前作ではちょっと冷めたところもあった天獄でしたが、感情をストレートに出すようになり、兄の行動にイライラしたり誕生日を祝うためにバタバタ焦ったりと、とても人間くさくなったなぁと感じました。そしてこれが天獄の本質であり、そんな彼をちゃんと理解して気持ちを汲み取ってくれる青鬼がとても大人に見えました。デリカシーもムードもないけど、気遣いや包容力があって素敵だなと思います。
お互いの家族との関わりにも相手が上手く作用している関係もとても良いなと思いました。本当に今作でも彼らの言葉一つ一つが心に突き刺さる名言ばかりでした。また、えちのないお泊りの日のセリフのない絵だけのじゃれ合いもものすごく愛が伝わってきて良かったです。
最後まで読むと、表紙の花束に愛が詰まっているのが分かってキュンとします。これを表紙絵にするのは流石だなぁと感心しました。