「ワンダーフォーゲル」の続編、イブと稜CPが恋人として熟成していく様子とゆうとの過去を探求するお話。
前作のお話を全てまるっと受け継いで、いい意味で解決し、発展させた今作。前作の2つのお話は、繋がりがあるものの登場する人物も場所も展開も各々別のお話でしたが、今作はその2つのお話を見事に融合させています。サイン会を行うことで上京させ(場所の一致)、過去をたどりながらイブという第三者かつ大人の意見で納得出来る真実を見つけ(主要人物たちのストーリーの共有)、マリさんという新キャラによってイブと稜の理解度が増す(親密度の発展)。ミステリー要素と恋愛要素が上手く溶け合って、キャラたちがとても活き活きとしていたように思いました。稜のゆうとへの異常な庇護欲や、イブのポンコツぶり、しろうの彼氏力に南くんの真っ直ぐさ。各キャラの良さを短い中にもしっかりと伝わるように描いている作者様の力量が素晴らしいです。中でも、新キャラのマリさんは最高でした。核心への切り込み方やものの言い方など、キツイように見えて愛情があり、マリさんの登場でそれまでミステリアスな雰囲気に包まれていたイブがちょっと自己チューな可愛いお子様に見えるように。稜とイブが思ったよりもラブラブな恋人同士で良かったなと思える続編になったと思います。