あらすじや表紙の雰囲気から、いわゆる「お仕事もの」や「バディもの」みたいなのを想像したけど、普通の「恋愛もの」っぽさが強かったです。
お仕事ものとしては、仕立て屋らしい描写が少なくて残念。営業戦略みたいな話がメインでした。外注してるにしても、もう少し「スーツを1から仕立ててる」感じが見たかったです。採寸シーンがそこはかとなく色気があって素敵だっただけに、惜しいです。
あと、コマによってスラックスが短すぎ・細すぎなのが気になる……他の作品では流せたけど、テーラーの話となるとちょっと。銀座という日本一ハードルの高い地名を出してしまったのも、良い策ではなかったような。
バディものとしては、生吹があまりにヘタレで……いや、これはこれで、ヘタレな生吹が灯生との出逢いによって少しずつ目を覚ましていく話ってことでいいんだけど、カッコ良さや熱さを期待してしまうと、ちょっと違う。
生吹の魅力がいまひとつなので、恋愛ものとしても正直そんなに熱い感じではなかったけど……灯生視点の話が良かったです。「理屈抜きで恋に落ちてしまう」ってこういうことなんだなぁと、読んでいる私も理屈抜きに肌で感じとれるような、素敵なシーンでした。
初見では☆3ぐらいの印象だったけど、先入観を捨てて読み返すうちに愛着がわいてきました。