極度の寂しがりやだか全てに恵まれたお坊ちゃま社長と、大学の後輩でそんな彼を公私ともに支える秘書の男の恋のお話。
とにかく目まぐるしく攻守が入れ替わり、お互いがお互いを振り回しまくるお話です。それもこれも穂積が生粋のお坊ちゃま体質で、無自覚にワガママで奔放な性格だからなのですが、裏表がなくおバカなくらい素直なので、全く嫌味がありません。伊吹のことも散々追いかけ回し、思い通りにしておきながら、彼の想いは受け取らずにやりたい放題。最初は気の毒にすら思えました。
そんな穂積に反撃するために8年も費やした伊吹の執着も見事です。意外に強引な攻めには弱かったのか、ようやく目の前の伊吹をちゃんと見てくれた時はホッとしました。あんなにワガママなお坊ちゃまを面倒見て、甘やかして、愛してくれるのは伊吹しかいないと思います。その当たり前の愛情に穂積が自分で気付いてくれたことが何よりも嬉しかったです。
無自覚な奔放さと計画的な策略家の二人、お互い予想外の出来事に振り回し振り回され、これからも幸せになってほしいです。