流れるようなスッとした先生の絵が魅力的で、ずっと単行本化を楽しみにしていた作品。
隠れゲイの藤井と、会社の後輩でゲイをオープンにしている甲斐のお話。
体から始まる不安定な関係をどう展開させていくのか気になっていたのだが、個々の心の根底に刻まれてしまっている溝をヘラで埋めていくような丁寧なストーリー運びで、変に奇をてらっておらず良かった。
2人が朝日に向かって歩き出すような、未来を感じさせる素敵なお話。
エロももれなくスッとした線で描かれているので、ドぎつくなく、初心者の人にも読みやすそう。
それにしても受けがいじらしくて、予想外にエロかった。
突然の衝撃に震えてしまったり、気持ち良すぎて泣いてしまうという描写が良い。
先生の絵がとにかく好み。横顔のラインが特に美しい。
描きわけのためなのかもしれないが、脇役がホクロ率高めだったのは嬉しい誤算。先生の素晴らしい絵にホクロが加わるとか…!どのコマも見逃すまいと、ホクロ好きには気が休まらない作品だった。