試し読みをして"メリバかな、、?"と思いつつ2巻まで続いてるのが気になり購入。
結果、メリバではなくて良かった。
良かったけど、本当に重たい作品でした。
これを5年間書き続けた作者さんすごいな、、、読んでいるだけで心がえぐられました。
たしかに、高校生のころは、大人はなんでも出来て、子供に解決できないことも解決できるもんなんだろうと思ってた。時間に、お金に自由があって、未成年みたいに縛られない生活があるんだろうと。
そう思っていたことも忘れて、気付けばいわゆる"大人"というものにいつの間にか自分がなっていて、改めて今の自分を見るとどうだろう。
時間やお金には一層縛られ、"こうあるべき""こうしないといけない"という誰が作ったのかも分からない何のためにあるのかも分からないたくさんの法律や"暗黙の了解"に支配されている。
そしてそうなってることにも改めて考え直さないと気づかないくらい思考力に欠けている。
2巻の、両が1巻で大人に向けた言葉をそのまま本人が受け取るシーン、1番無力なのは大人だな、と痛感した。
様々な理不尽を詰み、たくさんの諦める方法、諦めない方法、"知識"と"経験"だけが子どもを上回っているだけの人間が大人なんだなと。
そして両はその"知識"と"経験"を悩める子どもたちに生きるアドバイスとして受け渡す。
子育てしている身としては、子供との触れ合い方を学ばせてもらった作品でした。
結局のところ歪みが生まれたのはどこだろうと考えたとき、幸太郎の母か、母の親か、幸太郎を捨てた産みの母か、両と幸太郎の二人暮らしを許した両の親か、幸太郎を見て見ぬふりした教師か、その周りの生徒か、、、
言い出したらキリがないし、その全てを正せば全てうまくいったのかと言ったらきっとそうではない。
所詮子供だろうが大人だろうが、失敗をしないと失敗と気付けない。
きっと、幸太郎も両と離れてからこうやって思考を巡らせて巡らせてようやっと未来に向かって歩き始めたのかなと。
内容が重すぎて話がまとまらない!!!!どうしよう!!!とにかく、そうやっていろんなことを考えさせられる作品でした!!!そしてこうやっていろんなことを常に考え巡らせてほしいというのが作者様の願いなのかなとも思いました。
良い作品でした。