『鮫島くんと笹原くん』のスピンオフで、笹原弟(真希)の話です。分かりやすく1話めは前作の二人(鮫島と笹原兄)との絡みから始まるので、とても自然に入り込めました。どちらかというと、こちらの苦労性の真希の話の方が共感できました。現実の私は三人きょうだいの長子ですけど、性格とか役回りとかは真希に似ている気がして、気持ちが分かるのかもしれません。
私は、あらすじを読まない事が多くて、今回もタイトル通りに二人がCPになるものと思って読み始めたのに、いきなり先制パンチをくらったかのような展開に意表を突かれて楽しかったです。
1巻まではスピンオフの方が好きかもと思っていましたけど、2巻に入ってちょっと気持ちに変化がありました。読むうちにスピン元の鮫島は挙動不審気味のコミュ障であって、この2つはセットみたいなものだと思うし、併せ持っていても悪くないと思うんです。だけど真希は、プラスして変態ぽさがあるんですよね。高校の隣の席の女子が何かと(心の中の叫びはどうあれ)気にかけてあげてたので、優しい子だなと思いました。私だったら…一回不審者認定したら声かけなんてしない変な自信があります。
そして、兄CPに輪をかけたケンカップルぶりにも若干ひいてしまいました。そんな何回もドタバタしなければ纏まれないんかい…と。色々あってもタイトルがあるのでくっ付くことは分かっていましたし、普通は恋人にも絶対に言わないだろう心の内を、あそこまで赤裸々に曝け出してすったもんだできるのも若さ故かなと思うと微笑ましかったです。