かわいそうな人に惹かれてしまう新谷を巡る、チンピラ菊池とヤクザの愛人である須藤のドロドロ三角関係。
苦しく胸をえぐられるストーリーだが、読み始めると先が気になって止まらない。
とにかく菊池が危なっかしく、何とか助けてあげて欲しい。と、断然健気な菊池推しだったが、のばら先生が丁寧に描く須藤のバックボーンにも見事にやられてしまい…
新谷よ、もう2人とも幸せにしてやってくれ(涙)という気持ちに。
納得のラストではあるが、こんな2人に奪い愛される新谷にちょっと嫉妬してしまい、最後まで新谷は何だかいけ好かない(笑)
のばら先生は違うラストを考えていた、と何かのインタビューで読んだが、先生はこの大作を身を削る思いで描かれたのだろうと思う。
題名の意味も作中に出てくるのだが、上手い。とてもいい。
致すシーンは、先生らしくエロいのだが、痛々しくて心をえぐられる。
だが、生きようと必死に体を重ねているようで、刹那的な色気に目が離せなかった。
先生の描く金髪受けが本当に好きなので菊池は当然お気に入りだが、黒髪小悪魔変態の須藤も良かった。
だから本当に新谷だけは…羨ましい限り。
だが、自分が新谷の立場だとしたら、同じように立ち向かっては行けなかっただろう。
そう考えると、漢なんだよなあ。