In These Words
」のレビュー

In These Words

Guilt|Pleasure

絵で仕掛ける見事なトリック!

2021年6月24日
猟奇連続殺人犯に精神科医・浅野克哉が戦いを挑む。
犯罪ミステリーやサスペンス系の映画・小説が苦手な方は、精神的・肉体的な暴力描写があるのでご覚悟を。逆に『サイコ』『羊たちの沈黙』『セブン』『ハンニバル』等の映画や『FBI心理分析官』などの犯罪実録に馴染みがある方なら、あちこちに巧みに張り巡らされたエピソードや記憶の断片という伏線を一つひとつ把握し、魅力的な造形と内面を持つ人物たちに心を鷲掴みにされながら息もつかせぬスリリングでスピーディな展開にのめり込むはず。ひとたびこの世界観に足を踏み入れて、抜け出せる人などいるだろうか。
2021年現在4巻まで発行。仮にこの先の物語の流れが定石通りに、特定→追跡→攻防→対決→大団円、と進むとして、あと2~3巻…?もっともっと溺れるほどこの物語に浸りたい。
皆さんのレビューにもあるように4巻の読了後に1巻に戻ると、あぁ、それで下だけなのねと腑におちる。作者が読者に仕掛けたトリックのキレはアガサ・クリスティの『アクロイド殺し』みたいで痛快です(話の内容やオチのことではありません)。
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