鬼と天国 再 【電子限定特典付き】
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鬼と天国 再 【電子限定特典付き】

お吉川京子/阿賀直己

傷付けて傷付けられたその先で…

2021年12月20日
…感無量です。上下巻、そして続編と、時間も忘れ夢中になって一気に読んでしまいました。ふたりの愛の行く末にもう胸がいっぱいで、まだドキドキしています。最高に面白かったです!
読後、感動のあまり放心状態でぼーっとしながら、ふと作品3巻分をぼんやりとした大きなイメージで反芻してみたら、上巻冒頭数話でのふたりと続刊ラスト数話でのふたりの関係性がどれだけ違うかという事にびっくりしました。読んでいる最中はどうしても無意識に感情移入する事に特化してしまうけれど、読後俯瞰して作品の事を考えたら、ああ、僕は今このふたりの恋路を、このふたりが自信を持ってはっきり「愛してる」と伝え合える様になるまでの道のりを見ていたんだなあと思い、色々な感情が込み上げてきてとても切なくなりました。ラブストーリーを読んでいるんだから、誰かの恋路を辿るというのは当然の事なのだけれど、この作品には特にそれを強く感じさせられたというか。。きっとそれは、篤郎くんと学くんが全巻通して育んでいくものが、それほど尊く胸焦がすものだから、僕自身深く心を動かされたのだと思いました。
互いに他人であり別の個人なのだから、意見や価値観が違うのも当たり前で、だから相手の"地雷"を踏んでしまった時に、傷付けてしまうかもしれないという事も当然あって。傷付けられる事もまた然りで。傷付けても傷付けられても、それでもお互い大切な存在で絶対に離したくないという気持ちは変わらないから、一歩また一歩と歩み寄って、互いの事をもっと理解しようと努力するんだろうな。不器用ながらもそんな風に相手と向き合う事を諦めない篤郎くんと学くんが、眩しくて愛しくて、心の底から感動しました。そしてふたりに学ぶ事や痛切に感じるものが本当に沢山ありました。喧嘩して酷く傷付け合っても、それが歩み寄るきっかけになったら、また更に深い関係を築けるんだよな〜と、自分自身にも強く訴えるものがありました。やーでもふたりが傷付いている姿・表情を見るのは本当に辛かった…。
また心から感動できる名作に出会えて本当に嬉しいです!素晴らしい作品でした。と思ったら、続々編も決まっているんですね!おめでとうございます!いや〜嬉しい限りです。正直終わってほしくないシリーズです笑。ずっと見ていたいふたり。篤郎くんと学くんのその後、心待ちにしています!
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