蟷螂の檻
」のレビュー

蟷螂の檻

彩景でりこ

闇・エロ・鬼 畜・そして純粋なるモノ

ネタバレ
2022年3月25日
このレビューはネタバレを含みます▼ 最終巻発刊で久しぶりに1巻から読み返しました。
やっぱスゴい!
何回読んでも凄まじい!エロ凄まじい!!
首根っこを掴まれて大渦の中にぶん投げられて上下左右全方向から千の針と一緒に揉みくちゃにされたようです。
闇スキーとしては最上級のご褒美です。
4巻読了時に、どうやって決着をつけるのか?続き早よ!ってなってました。
今回は最後までイケるんだ!イっていいんだー!と狂喜乱舞の再読でした。

端的に言ってこのお話を、超ド級のマゾ(典彦)と飢えたゲイ(育郎)の執着愛と読みました。
かつて典彦ほどのMは見たことも聞いたこともありません。
快楽を得る為にあらゆる犯罪行為も反倫理的行為も、己の中で全て正当化する。
メチャ悪いヤツです。反吐が出ます。
何にも代え難い愛するたったひとり=育郎を苦しめて興奮する。
それは一見S気質に見えます。
しかし愛する存在が痛めつけられるのはとても辛い、この自分の「辛さ」に興奮している。
愛するあまり育郎の全てを欲しているのですが、あらゆる感情、好きも嫌いも憎しみも最上級の感情を欲しがる故の仕打ちです。
それは命を投げ出しても足りないレベルです。

対して育郎は幼少時から全てを典彦から与えられ続けています。
親(と祖父)があまりにも鬼 畜(文字通り鬼でケダモノ)だった為、致し方がないとはいえ、つけ込んできた典彦の手を何度でも取ってしまいます。
育郎にとってこそ、典彦は全世界中のたったひとりなわけです。
典彦がとんでもない奴のおかげで、私達はこの痛くて苦しくて切ない最高級の闇とエロを享受することができたのです。(ノリヒコバンザイ!)

こんな真っ暗闇の中でお兄ちゃんとケンちゃんの関係だけがあったかいです。
さっちゃんは光です。
彼女は中身が男性です。しかもかなりな男前。
中身がぐじぐじな雌の育郎と好対称でますます輝いています。
………
他レビュアーさんのおかげで雑誌掲載時の26話と読み比べる事ができました。ありがとうございます。甘い典彦貴重です。
が、やはり加筆修正が本当に素晴らしい!!
育郎側の気持ちを吐露させて逆に典彦の愛の深さを示したのですね。
もちろん育郎のとった行動が、全話通してここが決着!これが最適解!と納得の修正でした。
途中で飯田お前行けーと思わないでもありませんでしたが。
まだ読んでいない方が本当に羨ましい最高のお話でした。

局部は細線で見えてます
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