さよなら、ナナシのバイオリン
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さよなら、ナナシのバイオリン

うめーち

必見!圧巻の演奏シーンと変身シーン

ネタバレ
2024年4月20日
このレビューはネタバレを含みます▼ ブラボーーーーーー!!!!
スタンディングオベーション。お見事。どうやってこの独特の世界観を創り出したのか。発想がすごい。そしてその世界観を完璧に表現する画力にも脱帽です。変身するシーンと演奏のシーンは圧巻。是非タブレットやパソコンの大きな画面で、見開きでご覧下さい。その迫力に鳥肌が立ちます。このシーンの絵だけでも星5つの価値があると思いました。

うめーち先生も音楽をされていた方なのでしょうか。楽器も演奏しているシーンもすごくリアルで、楽器への愛を感じました。そして私もその昔、自分の楽器に名前を付けていた事を思い出して甘酸っぱーーーい気持ちになっちゃいました。

物語としてはやや早足な気もしましたが、このテンポでないと、一巻にまとまらずにむしろ間延びしてしまうかもしれません。
グイグイと懐に入り、あっという間に身体の関係まで持ってったGaに拍手。当初の私の、攻め受けの解釈は間違っていたようで、「そっちがそっちか!?」のサプライズはありましたがそれもまたスパイス。(よく見たら作品紹介に左右書かれてた…)
楽器と人間のBLですが、致してる時は完全に人型で、情事の最中に楽器を彷彿させるようなプレイはないのでご安心ください。

ただやはり人外とのBLは最期の時を想像して複雑な気持ちになるのです。様々なBLに触れ、腐歴を積み重ねてきたゆえに暴走しがちな私の想像力はそろそろ地中深くに埋めた方が良い気がしてきました。ただただ、奏介とGaの幸せな時間が少しでも長く続くことを願っています。

描き下ろしのCodaもめちゃくちゃ良かったです。長谷川とコスモにも、末永く幸あれ。
音楽が好きな方にも、あまり馴染みが無い方にも、是非広く読まれて欲しい、素晴らしい作品でした。
【追記】うめーち先生が別名義で描かれている「四弦のエレジー」も拝見しました。音楽を専門的に学び、愛されているからこその卓越した表現なのだと納得。ジャンルは少年マンガでBL要素はないですが、ナナシのバイオリンがツボだった方は是非こちらも読んでみて下さい!!
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