星の降る教室
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星の降る教室

サノアサヒ

爆笑準備万端で挑み、号泣させられた。

ネタバレ
2024年12月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ サノアサヒ先生の前作「俺はヒロインになれません」のインパクトは私の中で伝説級で、未だに「抱腹絶倒BLランキング(私調べ)」不動の第1位をキープしています。
…ということでサノアサヒ先生の新作を心待ちにし、新刊自動購入で入手し、爆笑準備も万端で挑んだわけですが。
…まさかまさか、号泣させられようとは……。そうね。確かに表紙の柊星の涙を見るに、コメディ全開のものではないね。

沁みました。柊星の言葉が、志津香の優しさが、薫の懐の広さが心に沁み過ぎて、もう2日目のおでんのがんもどきの気分です。
そう言えば前作でも泣いたな。笑いの方が強烈過ぎて忘れてたけど、惨めさも居た堪れなさも全部丸ごと愛し愛され救い合う2人の姿に泣いたわ…ということを思い出しました。
今回も、ひとの心の痛みや居た堪れなさや遣る瀬なさに焦点を当てた、(特にひっそりと腐として生きてきた私なんかには)ちょっとヒリッとくるようなお話でした。でも、如何ともし難い生きづらさを抱えた2人が、救い救われて幸せな未来に歩き出す救済ストーリーで、読後は温かい余韻が続きました。
当て馬かと思った第3の男、薫は恩人でした。ありがとう。貴方のおかげで今の志津香がある。どうか貴方も幸せになって下さい。(スピンオフ欲しい)
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ストーリー構成がすごい。キャラクターの魅力がすごい。選び抜かれた台詞の重みがすごい。ともすれば暗くなり過ぎる辛い過去やトラウマも、折々で挟まれる笑いで重くなり過ぎず、すごく読みやすく面白かった。沁みました。感動しました。
サノアサヒ先生、素晴らしい作品をありがとうございました!今後の作品も楽しみにしています!!
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