6と7【コミックス版】
」のレビュー

6と7【コミックス版】

凡乃ヌイス

読者の解釈と想像に委ねるこの感じ…秀逸。

ネタバレ
2025年1月12日
このレビューはネタバレを含みます▼ 凡乃ヌイス先生と言えば「てぺとる!」の印象が強くて(大好き)。明るく可愛いコメディBLを描かれる作家さんだという認識で東京戦奇譚1収録の「6と7」を読んだ時の衝撃たるや…凄かったです。振り幅ヤバい。ハイジのブランコ級。
超有名BL作家様達が名を連ねる東京戦慄奇譚の中でも一際物恐ろしさと不気味さを放ちつつ、しっかりとBLとしても読ませるストーリー構成の巧さに思わず唸ったのが一昨年前。その「6と7」が連載化して単行本化すると知り、ずっと楽しみに待っていた一冊でした。

……素晴らしかったです。終始背筋が寒かった。不気味な怖さ。分からない怖さ。救いのない怖さ。正解が分からない怖さ。そして多分これからも永遠に続いてゆく怖さ……………。余白が多い。でも余韻がすごい。余白の解釈を読者に委ね、物語のその後を自由に想像させるこの感じが、より不気味さを増幅させているのだと思います。
禄斗と七海の物語は、切ないけれどここで終わり。でもこれは「同種」の彼らから、そして「消えた彼」から、いくらでもシリーズ化出来そう。
「彼ら」は一体何者なのか、どこから来てどこに行き、何をしてどうなっていくのか…続きを読みたいような、このまま謎のままであって欲しいような……。
…続編あれば、即ポチ確定ですけどね。

怖い?恐ろしい?悲しい?切ない?愛おしい?……この如何とも形容し難い複雑な余韻。是非多くの方に味わって頂きたい。
もう…ね。ネタバレなしでいきましょう。さぁ、今すぐレビューを閉じて購入ボタンlet’s ポチり!

【追記※注ネタバレ】
繰り返し読んだ後、皆さんのレビューで色々な解釈に触れ、め……ちゃくちゃ面白かったです。興味深かった。彼らが「ヒトを食べないと生きられない存在」である時点で、悲しいけれども、どうしたって私の中ではハッピーエンドにはなり得ない。でも2人の世界には確実に愛と救いがあり、あのラストが2人にとっての最善の形だったのだろうと思えました。ヌイス先生に感謝。皆さんのレビューに感謝。
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