愛しものに蓋
」のレビュー

愛しものに蓋

ヲリコリコ

沁みたし泣いた。でも読後感は晴れやか。

ネタバレ
2025年2月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ ハードル上がっていたのです。前作「割れたカップを戻すには」が大好きだったので。配信開始以来レビューもとても高評価だったこともあり、自分の中でかなりハードル上げてしまっていた自覚はあるのですが、め…………っちゃくちゃよかったです。今作も甲乙つけ難いほど素晴らしい作品でした。
なんでこんなにも心に沁みるのか………。たぶん眞白にも時鷹にもお母さんにも、ことの発端となったお父さんにすら、共感してしまうところがあったからだ…と思います。(お父さんが何をしたのか何があったのか、詳しい描写はないけれど、無くて良かった。焦点を当てるべきはそこではないから。)
眞白もお母さんも本当に辛い経験をしたし、お父さんもずっと後悔に苛まれていたけれど、スパダリでもヒーローでもない時鷹の存在により、綺麗事や無理のある形ではなく、絡まった結び目を解き、前を向いて歩き出すことが出来たのがすごく心に沁みたのだと思います。
過去の出来事は消せないし変えられないけれど、「味方がいる。俺は俺でいいんだ」と心から思えた眞白はきっとこれからも大丈夫。すごく晴れやかな読後感でした。

テーマはすごく重かったし、それぞれの登場人物に共感してしまって辛い部分もありました。でも辛くなり過ぎなかったのは、可愛らしい絵や折々のコミカルな描写によるものでしょう。すごく読みやすかった。
読みやすくも読み応えのあるストーリーに没入させられましたが、2人の恋心の変遷や初々しいベッドシーンも結構しっかり描かれていて、BLとしてもすごく満足度が高かったです。

あとがきでヲリコリコ先生が「もしかしたら続編…」と書かれていました。ぜひ読みたい……………!ヲリコリコ先生、応援しています。どこまでも追いかける所存です。
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