メリーメリーハッピーエンド
」のレビュー

メリーメリーハッピーエンド

柚子町汐

一読じゃわからなかった

ネタバレ
2025年4月18日
このレビューはネタバレを含みます▼ 新刊作者さん買い。神作品本棚行き。
子育てBL苦手なほうなのですが(両親や姉妹が健在で近くに住んでてすぐヘルプしてくれるから、ふたりの時間もあってエチできる〜みたいな子ども可愛いとこ取りのご都合子育てBLが苦手。(←ごめん、ヘルプ全くなしの海外で必死で育ててる個人的でリアルな僻み))、この作品は大好きだった。でも一読じゃ良さがわからないかも。

里親支援をしてたくさんの子どもと一緒に住む育ちで、おつきあいしたらすぐ結婚を考える重い系の榛名は、彼女がいない時にカラダの付き合いをする父子家庭で育った麻矢がいて、あれこれ自宅でヤッてたときに、颯太郎という見知らぬ子どもが訪ねてくる、どうやら言付けを残して颯太郎の母親がいなくなったらしい、、というそれぞれの事情満載のひとたちがそれぞれの幸せを探してくお話。

いろいろ考えさせられたわ。。それぞれの事情が深いのよ。颯太郎のお母さんも昔、里親に預けられて(たぶんリ◯カか自傷もしててそれにもさらりと触れてて読み逃しそうになる)、自分は颯太郎育てようと一生懸命で、いっぱいいっぱいになって、親と同じことを繰り返してしまいそうで、そういう時に最後に頼れるところがあってほんと良かったと思う。
榛名のお姉さんは家を出てしまって、下巻でその理由が少し語られるけど、どんなに善良なひとたちでもたくさんのひとが出入りする家庭だと合わないって思うひともいるだろうし。榛名自身も冒頭で早く結婚したかったのは自分だけの家族が欲しかったんじゃないかなと。

柚子先生の作品、登場人物が多くて、しかもさらっと登場してくるので、先生の中では確固とした世界と存在があるのだろうけど、読者は注意深く読んでかないとこれ誰だっけ、って取り残される。つまりは読み応えのある世界ってことで、私はすごく好きなのよ。

下巻の6話でいったん区切りついて、7話から7年後の新章。そこで麻矢のこともきちんと描いてくれて、血が繋がってなくても家族っていえるひとがいて、帰る家がいくつもあって、みんなが幸せになるラスト。これからもずっとみんな幸せでいてね。
エチは数少ないなか、やる時は延長戦ありの重ねエチでした。満足、満足。
いいねしたユーザ24人
レビューをシェアしよう!