このレビューはネタバレを含みます▼
ぼかぁね、バレエ漫画が大好きなんですよ。なので採点甘めです。未完の大器見延×挫折経験のある天才一宮。完結してなかった…!アメリカ編まだまだ続きます。本作は余白の補完が必要、かつほんの少しでもバレエへの興味が無いと楽しめず退屈かも。そして二見先生の扱いに困ります。多分4巻が出たら書き直しますが二見先生についてレビューします。(需要と供給のバランスおかしい)
中途半端に二見先生との関係を匂わせて一方的に終わらせているので消化不良に感じる方が多いのも分かります。二見先生がした事はガチめのタイーホ事案だしそもそも自分の地雷なので普段であればもう読まないフォルダにぶち込んでレビューもしないところですが、彼は本作におけるロットバルトそのものなんですね。白鳥の湖作中のロットバルトの解釈は諸説様々にありますが概ね悪の権化、オデットとジークフリートの恋路を邪魔する存在として演じられることが多いです。しかし「で、キミは結局何がしたかったん??」という考察の余地がある役柄でもあります。なぜオデットに呪いをかけたのか?好きなの?嫌いなの?その解釈は演出家や演者、観客に委ねられて明確なアンサーが無いのです。それこそが本作における二見先生のポジションなのではないかと。昼寝シアン先生はバレエ経験者ですのでその点にかなり含みを持たせて描かれていますが、同じくバレエ経験者もしくは自分のようなバレエヲタク以外はここまで深く考察しながら読み込むことは稀だと思いますので、未経験者が多い(と思われる)読者に解釈を委ねるというスタンスは些か不親切に感じられます。…とか言っといて4巻以降二見先生がまた出張ってきたら大笑いしてください。本番前にシューズと衣装メタメタにするの昭和のスポコンバレエ漫画感が出ていて笑いました(褒めています)
見延の身体的、能力的に神に選ばれたの如く恵まれているのに本人の意識の問題もありまだまだ完成されておらず伸び代たっぷりなところが超大作バレエ漫画アラ〇スクのオマージュを感じました。個人的に分かりやすく派手な演目が好きなので、イチさんに黒鳥オディールの32回転を超絶技巧テクニックを織り交ぜて作中で是非やっていただきたいです。