男妾
」のレビュー

男妾

水上シン

背徳感を感じずにはいられない…

ネタバレ
2025年8月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ 水上先生の描かれる軍物BLは何タイトルか拝読させていただいております。
中でも帝国陸軍の軍人さんがメインのお話がすごく好きで、“愛の痕跡”と“陸軍恋愛士官学校”はたいへん楽しませていただきました。
こちらの作品も陸軍の軍人さんのお話。なのに今まで手に取らなかった理由は、物語の設定が自分の中の地雷を踏み抜きそうだったからなのです。

主人公は陸軍将校の父を亡くした15歳の速人。病弱な母もおり、これからどうすれば…と頭を抱えていたところ、父の友人だった堂島大尉が手を差し伸べます。やがて速人は堂島の愛人になることに。

私はもともとショタが苦手。その中でも“立場の強い攻めにいいようにされるショタ”が一番苦手で💦萌えるどころか逆に不憫になってしまうのです。
速人は華奢で柳腰の少年、かたや堂島大尉はゴツイ軍人さん。作品紹介も何だか不穏…。
しかし興味には逆らえず、意を決して読んでみたところ…。えーっ、そう来るのかい!まさかだよ!予想と全く違った展開にちょっと驚き。
正直、堂島大尉以外の人は要らなかった…。彼と速人、二人だけの世界だとばかり思っていたので、ちょっとモヤモヤです。別の意味の地雷を踏んでしまったかな…。
ただテーマは好きです。お相手が父の友人というところにすごく背徳感を感じました。堂島大尉も誠実な人なのでそこは良かった。評価は中間を取って星三つで。

そして表題作以外ににもう一編別のお話が収録されています。そちらも日本の軍人さんの物語だったら私的にはなお良かったな。
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